2009年9月10日木曜日

Martin LX リトル マーチン トップ 浮き ふくらみ 修理



今回は Little Martin LXM トップ浮き修理 です。

マーチンの新素材シリーズのトラベルギターです。
かわいいです。

トップ板すごく薄く、指で押すと簡単にへこみます。

リトルマーチン3台目のトップ浮き修理です。


困っているかた非常に多いのではないでしょうか?










この個体は、まだ全然新しいのですが、すっかり変形して

弦を張っていないのに

ブリッジ下5mm程膨らみ、サウンドホール周りもへこんでいます。

慢性化して癖がついてしまっていました。












その上、弦を張ってみるとサイド板もトップに引っ張られ

バック側が外れてしまっています。

チューニング上げていくに従い口が大きくなり

みしみしいいます。

とてもまともにチューニングできません。

まず、バックのはがれを治しました。

外からと内側からタイとボンドをしっかり押し込み
クランピング接着し、余分をきれいに拭き取って
2日寝かします。




今回は写真のような3本のブレージング追加しました。

当たり前ですが、ブレージングの質量、材質、形は
その個体ごとに考えます。
個体ごとに変形場所、ブレージングパタン違い
当然必要な追加強度変わってくる訳ですから。

できるだけ小さいもので強度保たせる方法を考え、
必要な場所を見定めて貼り付けます。

横の木と板はスカッと綺麗に張るための治具(ジグ)です。






              
                                     

無事に手術終了です。
チューニング時で2mm程の浮きに治まりました。

トップ浮き修理           
フレットすり合わせ
全体調整(オクターブピッチ調整、弦高下げ、など)

¥10000くらいです。

トップ浮き修理の概念として私はこのように考えます。

トップがひどく浮いているギターは、
音的には、
言わばパンパンに皮張った太鼓みたいなもので、
音の立ち上がりは良いが
振動が小さくすぐに減衰してしまう。
低音のおおきな振動がなく、うねりが出にくい。
あるいは、振動が小さいため鳴らずぽこぽこの音に
なってしまう。




機能的には、
弦高高くテンション強く操作性悪い。
オクターブピッチ合わず音痴になる、
チューニング安定しない。などのほか
ブリッジ、ブレージングのはがれ、トップ板、バック板、サイド板の割れを引き起こし
楽器として機能しなくなる、致命的な障害が出る原因になっています。

うまく治してやると(この うまく はすごく重要です)
多くのトラブルが解消され、安心した長い付き合いができるギターになります。

今まで30台ほどのトップ浮き治してきましたが、それぞれのギターに教えられることばかりです。
正直、強度重視して大きなブレージング貼り付けて鳴り悪くなり、サウンドホールから
手入れて削りなおし調整していく大変な作業もありました。

業界では不治の病と言われているトップ浮きですから、並みの努力では難しいのはわかっています。
でも、それが原因で打ち捨てられてるギターがいっぱいあります。
そんな奴らにまた歌わせてやりたいです。
また愛着もって大事にされる存在にしてやりたいです。



今回の修理後のリトルマーチンの音源アップしました。
音はぽこぽこから深い音になりいいギターになりました。

演奏は親友で、ギターの師匠でもあるHAIsanです。
はいさん HP  

録音は写真にあるSONYボイスレコーダ。
結構使える相棒です。

横にあるbox.netをクリックして聴いてみてください。 (Martin LXM ongen)

リトルマーチンの音とは思えんようないい音しているでしょ!
トップ浮き修理済みで安心!  傷なし!
弦高1弦12F 1.5mm めっちゃ弾きやすい!!

かわいい厚手のオリジナルギグバック付き!

ただいま工房にて販売中      ¥33600   Sold! さいたまのT様 ありがとうございました。

メール、お電話にてお問い合わせください。

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