明けましておめでとうございます。
北川木工です。
昨年も多くのご依頼頂きありがとうございました。
心から感謝です。
ありがとうございました。
昨年は246本のギター修理、調整させて頂きました。
一昨年に比べ、重症患者多く、沢山の勉強させて頂きました。
前回クーラー導入などと書いてから、はや3ヶ月。
久しぶりの更新です。
ご無沙汰の理由は、
ブログ更新する度に、お問い合わせメールやリペアご依頼、中古販売ギターのお問い合わせなどすごい量のメール、お電話を頂くことになり処理するのにかなりの時間がかかってしまい、許容範囲超えてしまいました
で、その後更新するのが怖くなってしまったのでした。
しかし、昨日このブログの関東の読者の方から「ご病気でもされているのですか?3月以上も更新ないので心配で電話しました。」とお電話いただきました。
ありがたいことです。
そうか~ 楽しみにしてくれてる人もいてくれてはるんや。
逃げてたらあかんな。
実際、ギター好きの人達の興味ある修理いっぱいさせてもらってるし、
やっぱり月一は更新していこう と新たに決意したのでした。
また、ぼちぼちですが よろしくお願いいたします。
さて、今回はTacoma パプースをレギュラーEチューニングで使える様に、そしてピックアップ取り着けるという改造計画です。
このパプース、通常ギターの5カポAチューニングが本来のチューニングで、アルト、レキントギターの類のスチール弦仕様です。
押尾コータローさんのカノンで使われ一躍有名になりました。
かわいいです。
弦長485mm
このままノーマルEチューニングしてもべろべろでオクターブピッチも合わず、やっぱりアルトです。
テナーウクレレよりチョイ大きいこのサイズは、何処でも持って行くにはうってつけです。
ウクレレ持って外で遊ぶあの気軽さ。
ギターはなかなかそこまでの気楽さないですよね。
軽く山歩きして渓流の美しい場所に連れて行ったり、サーフィンのお供、キャンプのお供など、そんなウクレレみたいな持ち運びの良いギターあってもいいんじゃん!
マーチンのLMX, ベビーテーラー,ギグパッカー、その他使えるミニギターいっぱいありますが、担いで移動にはやはりデカイ。
アルトでも良いのですが、コード変換せなあかんし、やっとこ覚え出したテンションコードなど使えないし、やっぱりレギュラーEチューニングの出番が多いです。
今まで、ガットのアルトギターを5台程ノーマルチューニング仕様に改造し成功してきたのですが、皆お客様に気に入られて嫁に行ってしまっています。
やっぱりちゃんと使えるちびっ子いいですよ。 ふむ。
スチール6弦ならば更によいのでは?
スチール6弦のアルトなどパプースの他にあるかな?
カバキーニョ改造すれば・・・ とりあえずパプースで。
今まで手がけたガットアルトは弦長520~530mmでした。
こいつは485mm。
失敗でも戻せる様にやってみましょう!
まず、ミデアムゲージ張ってみます。
多少しっかりしたテンションになりますが、やはりピッチは音痴で音も太い弦で詰まってしまいます。
やっぱり、ちょっと改造やな。
と言っても、それ程大げさなな事をする訳でもないのです。
ようはオクターブピッチがしっかり取れるように、サドルを厚くして弦長を伸ばしテンション高めます。
これ、ノーマルのパプースのサドルです。
このサドルはまた元に戻したい時に使える様に取っておきます。
それにピッチ調整してあるので高さサイズ足りず、改造用には使えません。
まず、トラスロッド使ってネックをストレートよりちょい逆反りにセットします。
これはめいっぱい弦長長い状態を作り、テンションを上げるためです。
ノーマルサドル外し、これより少し高いめのサドル作ってブリッジピン側に山を付け(弦長が長くなるように)、ライトゲージでオクターブピッチ確認します。
大分近づいてますが、まだ全弦オクターブは高い音でサドルの幅が足りません。
オクターブピッチの確認方法は、各弦チューニング合わせ、開放と12F押さえた時の音が丁度1オクターブ違いになるかどうかを調べるのです。
12Fの音が低い時はサドルと弦の接点を前に、高い時は後ろに持って行きます。
先程作ったサドルは弦の接点がめいっぱい後ろにしてありますが、それでもまだ足りません。
そこでブリッジから上に出ているサドルにもう一枚牛骨を瞬間接着剤で貼りつけます。
本来ならば、サドル溝幅を広くして2枚分の厚みの牛骨をいれれば良いのですが、それではオリジナルに戻せません。
そのため、出ているサドルに貼り付ける様にします。
貼りつけてしまうと弦高調整で削るのが難しくなるので、この時点で弦高も適正に加工しておきます。
貼り付ける時はブリッジに瞬間接着剤がはみ出て付かないようにするため、ブリッジとの接点に鉛筆で印付け、外して接着します。
接着したサドルを取り付け、もう一度オクターブ確認します。
今度はオクターブピッチちゃんととれそうです。
鉛筆で印してある所が各弦のピッチポイントです。
この場所に弦が乗る様にヤスリで削り込んでいきます。
写真では弦との接点が良くわかりませんが、こんなサドルになりました。
これでライトゲージでレギュラーEチューニングでピッチもばっちりです。
試しに友人とセッションしてリードギター入れてもフレット音痴特有の気持ち悪い音ではありませんでした。
このサドル外してオリジナルサドル付けエキストラライト張ればAチューニングも使えます。
バッチリ使えています。
ヘヘッ!!
ここまで使えるなら、やっぱりライブでも使えるようにしてやりたいのだ。
よっしゃ!ピックアップそうちゃ~く!!
この音からすると、イコライザー付きで手元で音作り出来るプリアンプ付きが欲しいな~。
しかし、ボディ厚があまりないので慎重に選ばなくては。
で、調べてみるとサイズ収まるのがありました。
Fishman Classic4
コンデンサマイク付きやチューナー付きはダメ。
さて、取り付けて行きます。
プリアンプ収めるのに必要な穴の大きさの型紙作ります。
この時点で中のライニング(トップ、バック板をサイドと接着するための糊しろのような材)の中に収まるかしっかり確認します。
型紙の外周を鉛筆で書きます。
ドリルで大まかに外周の内側に穴を開け、引き回しノコ(先の細い特殊なノコです。)で切り取って行きます。
サイド板割れ止めとプリアンプ固定するビスをしっかり受ける為の材を貼り付け、ヤスリで削りこんできれいに処理していきます。
どうやって手の入らない所でピエゾ素子やエンドピンプラグを通すのかと言うと、写真の様にあらかじめ弦を通しておいて釣り上げていくのです。
こんな感じです。
ピエゾ素子が入る分、サドルを削る必要があります。
素子を入れる前にサドルに深さの印付けておき
いれた浮き分を削り落とし高さ合わせます。
ピックアップ組み上げてライトゲージ張り、完成です。
手元のイコライザーで音作りできるのでやっぱり正解です。
低音もズンと出て、ラインの音はとてもミニギターの音ではありません。
弦高も12F1弦1.6mm 6弦2.2mm
指板も広いので慣れると操作性すごく良いです。
弦長短いため、コード押さえるとき真上からきれいに押さえないと
少しでもチョーキング状態で押さえるとハイになってしまうため、
押弦の良い練習になります。
現在当工房で販売中!!
世界で1台?レギュラーチューニング出来るパプース!
傷はトップのピックガード回りに弾き傷、肘あたるあたりにひっかき傷あり。嫌な印象受ける様なものではありません。
オリジナルギグバッグ、オリジナルサドル付き
80000円で~す。 (1/17販売終了しました。 横浜T様お買い上げありがとうございました。)
パプースの音源アップします。使えるギターである事がわかると思います。
生音とエレアコ一人遊び入ってます。お相手はボスのループステーション、録音はSonyICレコーダ。
横の音源玉手箱から聴いてみて下さい。
2チャンネルでパプースはノーマルチューニング絶対出来ないなんて書き込みあったけど
ここにおまっせ!スペシャルチューン。
御興味あればお問い合わせ下さい。
今年も頑張ります!
よろしくお願いいたします。 ありがとうございます!!
2010年11月10日水曜日
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新年明けましておめでとうございます。
返信削除そしてBlogの更新おめでとうございます。
先日、神奈川県川崎市からお電話させて頂き、000-28ECの修理をお願いした者です。
久し振りのお手並み、楽しませて頂きました。
(Blogの日付けは(>_<)な事になっていますが)
これからも少しで良いですから、楽しませて下さい。
近々、ギターを送ります。基本的な調整ですが宜しくお願いします。
おめでとうございます。
返信削除コメント頂きありがとうございます。
神奈川、28ECというとネック元起きねじれ修理させていただいたK様ですか?
その後ECは調子いかがですか?
ブログの日付は下書きの日付がでてしまっていました。
これからもぼちぼち更新して行きます。
ありがとうございます。