長い間気にかかっていた大修理に、やっと4月から着手し出しました。
このギターは、2年前に神戸のミュージシャンの方からお預かりしました。
が、去年、一昨年とどうしようもない忙しさと
このギターのあまりに損傷激しさに気後れし、なかなか手を出せなかったものです。
無期限でお預かりしたものの、ずっと気がかりでした。
春に意を決し取り掛かり出しました。
戦前のGibson字態
バナーヘッド
モデル名やシリアルナンバーは
どこにも見当たりません。
ネックは3ピース
オープンバックペグ
トラスロッド無し
極太三角ネック
そしてボディーは・・・・
このような状態です。
この損傷は阪神大震災の時に
起こってしまった不測の事故でした。
チップボードケース収納されていましたが、
上から重い機材が落ちてきて潰された
らしいです。
私は、京都にいましたが凄まじい縦揺れ状態
でした。
出来るだけオリジナルの材を使って修復し、塗装まで仕上げる約束です。
バック板剥がしトップ板修復していくか、トップ剥がしバラバラの状態で修復するか
散々悩みました。
横割れの折れを修復するにはトップ剥がしバラバラのピースを繋ぎ合わせるしかないと思い方針が決まりました。
トップ板を剥がす準備をします。
スクレーパーに剥離材をつけながらバイディングを外して行きます。
これをまた使いたいのでダメージ与えぬ様
慎重の剥がします。
熱を加えて剥がすと伸びてしまって再度
使えないので、剥離材で接着剤溶かし
ゆっくり剥がします。
ドライヤーで熱を加えながらトップ板を剥がします。
あちこちにダメージがあり、また乾ききった
材のため材自体が弱ってもろく、力任せの無理強いは禁物です。
まず、左ピース剥離
続いて右ピース剥離
センター下部剥離
この工程にはブレージングを剥がしながらの
作業が当然必要なわけで、ホールから手を
入れてブレージング剥がす、剥離材使う、
熱かけるなど、
一筋縄では行かぬ作業でした。
こんなバラバラになったトップ材剥がし作業は
なかなか経験出来ないです。
さて、残ったネックブロック周辺の剥離。
これは厄介です。
何故なら、ネックがダブテールジョイントで収まっているため、どう考えてもこのピースは
抜けないのです。
ネック外すか、ダブテール部割るつもりで強引に行くか
思案です。
続きは、また次回で!
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